コラム

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2016.10.26

バイアグラと女性

「女性用のバイアグラってあるの?」「バイアグラを女性が飲むとどうなるの?」など、EDのご相談に来られる方には、パートナーの方のバイアグラの服用についてこのようなことをお尋ねになられる方がいらっしゃいます。今回はバイアグラと女性についてお話していきます。

バイアグラとは

バイアグラとはアメリカのファイザー社によって開発・販売された、ED治療薬です。世界で初めて販売されたED治療薬で、日本では1993年の3月に発売され「QOL(Quality of Life = 生活の質)改善薬」として高い注目を浴びました。2年前の5月には成分特許が切れたため、ジェネリックが解禁となりました。今では様々メーカーから成分名である「シルデナフィル」として発売されており、バイアグラだけだったころと比較すると価格も3~4割ほど下がったこともあり、利用が広がっています。
では、そもそもEDとはどのような症状なのでしょうか。EDは、「Erectile Dysfunction」の頭文字をとった略称で、Erectileが「勃起性の」、Dysfunctionが「機能不全」の意味となりますので、日本では「勃起不全」と訳されます。
これは、陰茎(ペニス)が何らかの原因で完全な勃起状態にならない症状を指します。よく、全く勃起しない症状だけがEDだと勘違いされる方がいらっしゃいますが、途中で萎えてしまう「中折れ」や、勃起の状態によってセックスに満足感を得られない場合もこのEDに含まれます。自身で思い当たる方も少なくないのではないでしょうか。成人男性の3人に1人はこのED(勃起不全)だとするデータもあり、決して一部の方だけの症状ではないのです。
またよくある誤解として、「エッチな気分になる」、「性欲を増進させる効果がある」というものがありますが、これは全く事実とは異なります。五感で性的な刺激を受けること(性的な気分になる)ことは欠かすことができず、EDの原因はその刺激がなんらかの原因でペニスの勃起へとつながらないことにあります。バイアグラ(成分名:シルデナフィル)はその原因の一つである血流の改善によってEDの症状を改善する事ができるのです。
EDの原因はさまざまですが、「器質性」と「心因性」の大きく2つに分けることができます。バイアグラは「心因性ED」にはもちろんのこと、「器質性ED」で大きな改善効果があります。

バイアグラの作用

バイアグラ(成分名:シルデナフィル)はどのようなメカニズムでEDを改善させるのでしょうか。バイアグラは薬の種類としては「PDE-5阻害薬」というものに分けられます。このPDE-5という酵素は、ペニスの海綿体への血流を抑え勃起を抑制する働きをもちます。
性的な刺激を受けることで、人の体には一酸化窒素(NO)が放出され、血管の細胞の中で「cGMP」という物質に変換されます。そしてこのcGMPが海綿体の血管を拡張し勃起を促しています。前述のようにPDE-5という酵素がこのcGMPを分解し働きを抑制して勃起を抑えますが、バイアグラがその分解を妨げることで勃起を促しているのです。つまりバイアグラの作用の仕方としては、「勃起を起こす」というよりは、「勃起の作用を助ける」という言い方に近いと言えます。
バイアグラ以外にED(勃起不全)に適応のある「PDE-5阻害薬」としては、バイエル社から発売されている「レビトラ」、イーライリリー社より発売されている「シアリス」というお薬があります。

バイアグラの女性への作用

今まで述べてきたように、バイアグラ(成分名:シルデナフィル)は「ED(勃起不全)」に適応のあるお薬として、専門の医療機関で処方されています。当然ですが男性の服用を目的としたものですので、女性の服用に関しては基本的には控えほうがよいと言えます。
仮に女性がバイアグラを服用すると、どのように作用するのでしょうか。2013年4月にシカゴのノースウェスタン大学の産婦人科と精神医学科のローラ・バーマン教授と、ロサンゼルスのUCLAメディカルセンターで女性の性と医療に関する医学センターのディレクターをしている、ジェニファー・バーマン博士によって女性のバイアグラの服用に関する調査結果が、アメリカの主要メディアであるABCより発表されています。
この調査は、性的な興奮障害を訴えている、閉経後または子宮摘出手術を受けた202人の女性を対象に、12週間に渡ってシルデナフィルと偽薬のどちらかを服用してもらうとことで、結果を得ています。その結果、バイアグラ(シルデナフィル)を服用していた女性は、偽薬を服用していた方とくらべ全体的に高い性的満足感を得られたということです。
ローラ・バーマン教授によると、オーガズム(絶頂)に達するかという点では、バイアグラ(シルデナフィル)の服用には統計的に優位に効果があるとしています。またバイアグラ(シルデナフィル)服用後の感覚について、「性器への血流が増え、暖かさが増す他、うずきや充足感も増える」としています。
一方で、ジェニファー・バーマン博士はバイアグラ(シルデナフィル)の服用では女性の性生活における、「精神的」、「感情的」な障壁は超えることができないということを、知っておくことが大事だとしています。これは男性も同じですが、服用することで、性的な刺激を得られるわけではないことを誤解しないようにという意味だと言えます。
今、「女性用のバイアグラ」という言葉が使われるとき、その成分はバイアグラの主成分であるシルデナフィルでなく、性的刺激を促進する成分であることが望まれています。男性のものと比べるとまだまだ開発・研究が遅く、これからの発展が期待されます。

アメリカでは発売解禁になっている女性用バイアグラ

アメリカの厚生労働省にあたるFDA(アメリカ食品医薬品局)は2015年8月18日に女性欲求低下障害を改善する薬剤アディー(ADDYI)が承認されました。アディーはアメリカのスプラウト・ファーマシューティカルズが製造・販売しています。閉経前の女性で原因となる明白な肉体的条件やパートナーとの関係を喪失していないにもかかわらず、性交渉に興味を失った人が適応とされています。女性バイアグラと言われていますが作用機序は全く異なり、脳に直接働きかけるため重篤な副作用があり、処方には患者自身の同意書が必要で、医師も処方するには研修が必要になります。失神、低血圧、めまい、吐き気などの副作用の他にも飲酒により副作用が増強したり、ホルモン避妊薬の服用でも副作用が増強する可能性が指摘されています。調査においても副作用の辛さから約9.6%が被験者を離脱しています。また、その効果も月に2~3回性行為する方がこのアディー服用で0.5~1.0回回数が増えたというデータしかなく、副作用のリスクと効果が比例していないことからFDAが認可を渋っていたことがわかります。
アディーは副作用の問題から2度のFDAで承認が却下されています。しかし、人権団体から男性用があるのに女性用がないのは人種差別だとの声に押され承認された経緯があります。バイアグラの処方開始時には50万人以上の処方数がありましたが、アディーが処方開始時の処方数は約270人と圧倒的に少なくなっています。これは女性の特有な悩みであること、情報量がすくなかったこと、処方する医師が少なかったことなど、が考えられています。現在では閉経後の女性への処方を検討するなど裾野を広げる動きがあるようですが、日本においては女性用バイアグラの認可はまず考えにくいでしょう。
ユナイテッドクリニックは男性専門のクリニックですので、女性へのバイアグラ(シルデナフィル)の処方は行っておりません。また、女性用バイアグラと呼ばれるアディーなどのお取り扱いもございません。何卒ご了承ください。

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